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カーニバルのあとで

蒸すような日が続いていた。


眼鏡を掛けた羊とおとこの頭と私で、

天気についてあれやこれやと考察を述べていたところへ、

三人のお客様が同時に到着した。


三人の様子は殺気立っていた。


一人はグレーのようなアイボリーのような色の混じった髭が床まで伸びていて、

薄い紫のような白いような麻の布をゆったりと頭と身体に巻きつけていた。


一人はこざっぱりとした身なりの背中まで伸びた髪の毛を後ろに束ねた女性だった。

白い綿のブラウスに藍色のスカートを履いていた。


一人は細身の男性で、薄く端正に整った顔で髪の毛は短くヘアワックスで撫で付けられていて、

きっちりと体型に合わせて作られたスーツを着込んでいた。


シャーマンです

と、髭の男性が自己紹介をした。

(他の二人が彼を睨んだ)


自己との対話、あるいは自然派です

と、ブラウスの女性が自己紹介をした。

(他の二人が彼女を睨んだ)

(長い名前だな、と私は思ったが黙っていた)


科学者です

とスーツの男性が自己紹介をした。

(他の二人が彼を睨んだ)


彼らはそれぞれ主張を始めた。


シャーマンは、

祈りの力、神の力が全てである、と言った。


それなのに、

自己との対話あるいは自然派は全て自分との対話によって解決し、

科学者は全て科学の力で解明解決できると言うのです。


自己との対話あるいは自然派は怒ってシャーマンの髭を三本抜いた。

スーツの男性は首を横に振って溜息をついた後物凄い勢いで反論を述べた。

(自然派は怒りを溜めないという主義のようだった)

(科学者は理論派のようだった)


それぞれが主張し、

その度にシャーマンは謎の液体を撒き散らし宇宙語の祈りを叫び、

自己との対話あるいは自然派が物を投げ黙り込んで自己との対話をし、

科学者が持論を息継ぎ無しでまくし立てるので

小部屋はしっちゃかめっちゃかになった。


眼鏡を掛けた羊はおとこの頭に目配せをした。


おとこの頭は奥の部屋へと消え、

お茶のセットを持って戻ってきた。


あなた方それぞれの力は素晴らしいです

どれも甲乙付け難い

あなた方の誰が欠けても駄目でしょう

と、眼鏡を掛けた羊は言った。


おとこの頭が彼らにお茶を注いだ。


彼らは騒ぐのをやめてお茶を飲んだ。


確かに

と、科学者は言った。

(彼はの開発した薬は素晴らしい効果があるらしい)

(そして、最も効果が出たのは、自分の内側を見つめ感情を解放し、祈りを捧げられた人だったことを渋々話した)


自己との対話あるいは自然派は乱れた髪の毛を整えて、

でも、効果が出たのは素晴らしい薬があってのことです

と、言った。


シャーマンも頷いた。


どうです、

これからは三人力を合わせていくというのは

と、眼鏡を掛けた羊が三人の顔を見渡した。


三人は頷いた。


そして三人で肩を組み合いスキップで帰っていった。


随分と賑やかな鑑定でした

カーニバルに行ったような気分ですね

と、眼鏡を掛けた羊が言った。


私たちは残ったお茶を飲んだ。







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