
HAKUYOU
月の砂漠のこと
月の砂漠に出会ったのは、
何年か前の夏至を迎える前、明るくて気持ち良い日のことだった。
ふと窓の方を見ると、外は夜の砂漠だった。
私は休憩にお茶を飲んでいるところだった。
私は外に出てみた。
どこまでも砂漠は広がり、夜も広がっていた。
砂は白銀でお月さまと同じ色をしていた。
空気はひんやりと透き通っていた。
星たちが追いかけっこをしてキラキラと笑っていた。
星たちを見て砂がサラサラと笑った。
私も笑った。
さみしくなったり疲れたりしたらここにおいで
お月さまはそう言って微笑んだ。
ありがとうと言って私は部屋に戻った。
そして残していたお茶を飲んだ。
