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2019・7月 ある日

その日は少し曇っていた。


出来るだけクーラーを付けたくないのだと言って、

眼鏡を掛けた羊はお腹の毛を刈って来た。

(お腹のところはザンバラに刈り込まれていて)

(なんというか、コミカルに見えて私は笑ってしまった)

(眼鏡を掛けた羊はあまり器用ではないようだ)


いつものように眼鏡を掛けた羊が、

やって来た人の住まいの風水をチェックして、私に意見を求め、

私は知っていることを答え、

おとこの頭が淹れたお茶を皆で飲んだ。

(眼鏡を掛けた羊とおとこの頭がどのくらいの間一緒に働いているのかは分からない)

(おとこの頭がその日の鑑定を細かく描写した日記を付けている)

(眼鏡を掛けた羊とおとこの頭の間には深い信頼関係が出来上がっているようだった)

(私はいまだに眼鏡を掛けた羊とおとこの頭の性別がよく分かっていない)


行き詰まったような気持ちでいる、というお客様を前にして


あなたは行き詰まりを感じることはありますか?

と、眼鏡を掛けた羊は私に聞いた。


時々あります

と、私は答えた。


行き詰まっているということに気付くことができたらあなたはどうしますか?

と、眼鏡を掛けた羊は私に再び聞いた。


うまく言葉が出てこないので私は黙っていた。


まず、いつもと違うことをしてみましょう

眼鏡を掛けた羊は自分で答えた。


いつもと違う道を歩いて、いつもと違う人と会ってみてください

そして、うんと美味しいものを食べてください

行き詰まっていてもいなくても、

いつもと違うことをするのは新しい風を呼び込んでくれますから

そう言って、

眼鏡を掛けた羊はサラサラと風水のおふだの作り方を説明した。


なるほど、と思ったので、

私は帰り道をいつもと違う道を通って帰った。










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